深刻化するJRローカル線問題を考える
●<参考資料>新会社がその事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針(2001年公表)
JR本州3社完全民営化に当たり、国土交通省が公表した指針。この指針に従い、JR各社はローカル線を維持すべき……はずなのですが、約束はどうなった?
●「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る4.27集会」報告「住民本位の公共交通のために~国鉄分割民営化を問い直す~」
2024年4月27日に開催された「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る4.27集会」(兵庫県尼崎市)で当研究会の「記念講演」資料です。地域公共交通活性化再生法改定から1年を過ぎたローカル線の現状は今、どうなっているのか。国鉄分割民営化がどのような影響を与えているのか。4月に現地訪問をしたリニア問題、1月に起きた羽田空港事故と併せ、報告しました。印刷に適したPDF版はこちら。
●「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る7.15集会」報告「地域公共交通活性化再生法の一部改定について」
2023年4月、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」(活性化再生法)が一部改定されました。それはどのような内容なのか。再び全国で廃線の危機が深刻化する今後のローカル線にどのような影響を与えるのか。2023年7月15日、「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る7.15集会」(兵庫県尼崎市)で当研究会が報告した資料です。昨年の同じ集会での当研究会の報告「限界に来た民営JR7社体制と再国有化の展望」と併せてご覧いただければ、全体がさらによく理解できると思います。この集会の資料全体はこちら。
●さっぽろ自由学校「遊」におけるJRローカル線問題報告資料を掲載
さっぽろ自由学校「遊」における2022年度上半期講座「北海道の問題から地球と共生の未来を考える」第3回の講座で、当研究会代表が「北海道における『持続可能な社会』と鉄道復権」と題して講演しました。「遊」からのテーマは、持続可能な環境政策に鉄道をどのように位置づけるべきかというもので、主として環境政策の面から鉄道の優位性を説明、できる限り廃線を避け活用する道を追求しています。スライド(PDF版) 紙配付資料用(PDF版)
●「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る4.29集会」におけるJRローカル線問題報告資料「限界に来た民営JR7社体制と再国有化の展望」
2022年4月29日、「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る4.29集会」(兵庫県尼崎市)で当研究会が報告した資料。コロナ禍による経営悪化を受け、JR西日本が自社単独で維持困難な17路線30千句を公表した直後だけに、タイムリーな内容になりました。全国化したローカル線問題の現状です。
●ローカル線存続を訴えるビラ2種を作成しました
根室本線、函館本線(長万部~余市間、通称「山線」)が相次いで寸断の危機にあります。根室本線は災害、函館本線は新幹線札幌延伸が原因ですが、つながっている路線、それも本線と名称を持つ大動脈をわざわざ切断し、直通できなくするというのは発展途上国でもあり得ないような世紀の愚策です。かつて新幹線を生み出し、鉄道先進国と呼ばれたのも今は昔、日本は今や世界最低の鉄道後進国に成り下がりました。こうした背景に、鉄道を国民の公共交通から「民間企業の商売道具」に変えてしまった国鉄分割民営化に原因があります。
当研究会では、取り急ぎ、存続のために何が必要か、今最も有効と考えられる方策を訴えるためのビラ2種を作成しました。「私たちは根室線をなくしてはならないと考えます」と「国は今こそ貨物列車迂回対策を!」です。北海道向けに作成していますが、全国でも豪雨災害の大規模化によって毎年のように鉄道寸断による迂回輸送は発生しており、全国的課題です。全国でこのビラを広げていただくようお願いします。
●浦河町で第2回「日高線の今とこれからを考える。」トークイベントを開催
2021年5月8日、「日高線の今とこれからを考える」プロジェクトの主催による第2回トークイベントが浦河町で開催。当研究会もパネラーとして意見を述べました。
今回のイベントでは、2021年3月31日限りで廃止となった日高線を、観光鉄道(特定目的鉄道)または遊覧鉄道として残す道を探るためのヒントを提供する方針でトークをしました。特に、2020年10月に提案した馬車鉄道運行案について、馬車運行実績のある北海道開拓の村への聴き取りなどを行い、具体的な費用などの見通しを示したことが大きな特徴です。当日使用したレジュメを掲載しました。
●交通政策基本法改正へ 改正後はこう変わる
2020年秋の臨時国会に交通政策基本法改正案が議員立法で提出され成立しました。この改正で具体的にどう変わるのかをまとめました(PDF版のみ)。
表向きはコロナ対策を名目としており、公共交通機関の安全衛生確保対策を国が支援するとした第17条の2が追加されることは前進といえますが、これ以外は国土強靱化を名目に、公共交通機関の災害復旧を新たな土木建設利権にしたい与野党の思惑を反映した内容であり、これまでの公共交通政策の方向性を変えるような意味ある改正ではないというのが当研究会の立場です。コメントや声明等の発表は予定していません。
●浦河町で「日高線の今とこれからを考える。」トークイベントを開催
沿線自治体7町のうち6町までがバス転換に同意した日高線は、廃止の流れが確定的になりつつあります。しかし、博多から長崎までに匹敵するような大規模幹線を、赤字だからといってこのまま廃止していいのでしょうか。2020年10月3日、「日高線の今とこれからを考える」プロジェクトの主催によるトークイベントが浦河町で開催。当研究会もパネラーとして意見を述べました。
日本の鉄道事業法は、首都圏の大手私鉄のような「息もできないような満員電車を3分間隔で運転して利益を上げろ、それが無理なら鉄道経営はやめろ」というスキームを、事実上ローカル線にも強要する欠陥法です。当研究会は現行の鉄道事業法は廃止し、ローカル線を維持できる抜本的法制度体系に移行すべきと考えています。
今回のイベントでは、廃止が確定的になった日高線を、新幹線や大規模都市鉄道しか想定していない欠陥法としての鉄道事業法のスキームからあえて降ろし、観光鉄道(特定目的鉄道)または法律上は鉄道事業の位置づけでない遊覧鉄道として残す道を探るためのヒントを提供する方針でトークをしました。当日使用したレジュメ及びイベントのチラシを掲載しました。
●JR日高線を守る会、JR北海道研究会、安全問題研究会が連名で日高本線沿線自治体への要請行動を実施
日高本線沿線7町による町長会議が2019年11月12日に行われるのを前に、11月8日、JR日高線を守る会、JR北海道研究会、安全問題研究会が連名で日高本線沿線自治体への要請行動を実施しました。安易なバス転換に慎重または反対の姿勢を示す2町(浦河町、日高町)への行動を重視、直接申し入れを行い町長に直接手交。残り5町へはほぼ同内容を郵送により実施しました。要請書コーナーに掲載しています。
●JR北海道問題の現状(2019年版)
2019年7月28日、都内で行われた第49回「平和と民主主義をめざす全国交歓会」JR・リニア問題分科会で安全問題研究会が行ったスライド報告の内容を掲載します。すぐ下の「ノーモア尼崎集会報告資料」のうち、北海道部分と内容がほぼ同じですが、紙のレジュメからスライドに形式を変え、見やすくしました。スライド版 配布資料版(いずれもPDF)
●「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る6.8集会」JR北海道問題報告資料
2019年6月8日、「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る6.8集会」(兵庫県尼崎市)で当研究会が報告した資料。ローカル線問題の現状をまとめました。
●北海道知事選に当たって~各候補者への公開質問状
2019年北海道知事選(3月21日告示、4月7日投開票)は、JR北海道の路線問題が最大の焦点といっても過言ではありません。今回、JR北海道研究会を初め、道内各路線の沿線団体は、知事選に立候補した2候補に対し、公開質問状を発しました。各団体の質問状の内容と、それに対する各候補者からの回答を掲載。併せて、回答内容を受けたJR北海道研究会のコメントも掲載しました。
今回の知事選は、事実上、JR北海道が「自社単独では維持困難」とした10路線13線区の未来を決めるものとなるでしょう。道民有権者の皆さん、ぜひこれを参考に、悔いのない投票をしていただきたいと思います。
●JRバスの路線廃止と経営安定基金運用益減少との関係について
JR北海道が執拗にバス転換を狙う日高本線。沿線7町との協議で、JR北海道は「廃止後の代替バス運行には責任を持つ」などとアテにならない空手形を繰り出し始めた。だが、JRバスが民間バス並みの国・自治体の支援も得られず、民間バス並みの経営努力を行うわけでもなく、安易に路線を廃止させてきたことは歴史が証明している。今回は、それをデータと事実によって明らかにする。こんな会社の言うことを信じて、鉄路を捨てて本当にいいんですか?
●JR北海道問題の現状(2018年版)
2018年7月29日、大阪市で行われた第48回「平和と民主主義をめざす全国交歓会」JR・リニア問題分科会で安全問題研究会が行ったスライド報告の内容を掲載します。すぐ下の「鉄道と観光、そして地域力」と内容が半分程度、重複しています。スライド版 配布資料版(いずれもPDF)
●鉄道と観光、そして地域力
安全問題研究会が2018年7月14日、北海道浦河町で行った講演資料。廃線危機の原因がJR北海道の経営のまずさにあること、「輸送密度」のまやかし、第三セクター鉄道を維持してきた地域が自立の先進例になりつつあること――等を取り上げ、鉄道維持の重要性を明らかにしています。スライド資料、配布版資料のいずれもPDF版。
●鉄道軌道整備法改正でローカル線の災害復旧はこう変わる(改正法新旧対照表)
●路線廃止ありきの協議許さず、存続に向け押し返す動きも(「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る4.21集会」JR北海道問題報告資料)
2018年4月21日、「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る4.21集会」(兵庫県尼崎市)で当研究会が報告した資料。ローカル線問題の現状をまとめました。
●北海道交通政策総合指針(案)に対し、当研究会が提出した意見が盛り込まれました
2018年2月、北海道運輸交通審議会の答申を基に北海道が策定した「北海道交通政策総合指針(案)」について、2月にパブリック・コメント手続が行われました。この指針の内容が、JR北海道が「維持困難」とした10路線13線区の全路線維持を明確に打ち出さず、重要度別に5段階に区分するなど不十分な内容であったことから、当研究会は道に対し、14項目の意見を提出。このうち、JR北海道がバス転換を含む地元協議を求めていた根室本線(富良野~新得間)について、災害時の貨物迂回ルートとしての重要性から廃止方針の見直しを求める意見、及び室蘭本線について貨物輸送ルートとしての積極的活用を求める意見の2つが、指針に事実上盛り込まれる方向になりました。
各路線の実情を踏まえた当研究会の重要な意見が指針に盛り込まれる方向になったことは、この2路線の振興に向け大きな前進であるとともに、特に根室本線(富良野~新得間)については、「バス転換を含む地元協議」を求めていたJR北海道の方針を転換させる重要な転換点になるでしょう。
<参考資料>
◎2018.3.31付け北海道新聞記事「維持困難2線区に新役割 道が交通政策指針」
◎当研究会の提出した意見(赤字が「指針」に反映された部分)
◎根室本線富良野~新得間について、貨物迂回輸送ルートとしての重要性を示す資料(2017.11.24に当研究会が日高町で行った講演資料。この資料の32~35ページに、貨物列車の迂回輸送ルートを確保することの重要性に関する記述があります)
◎鉄道事業法における鉄道事業の許可と列車運行義務及び被災した鉄道の復旧に関する質問主意書(山本太郎議員、2018.2.23提出 質問書 政府答弁書)
●北海道の鉄道の存続・再生を求める道民署名(署名用紙 呼びかけ文)
JR北海道が「維持困難」路線・線区を公表して以降、JRと地元との協議はほぼ1年間膠着状態が続いていますが、本来、JR北海道の株主は国であり、北海道の鉄路は国民共有の財産です。地元とJRとの協議だけで存廃を論じてよいものではありません。一方、北海道が国に対し、鉄道・運輸機構の剰余金(特定業務勘定)を活用したJR北海道への支援策を国に要望し、ようやく北海道の鉄路をどのようにして残すかの議論が始まろうとしています。
「北海道の鉄道の再生と地域の発展をめざす全道連絡会」では、このたび「北海道の鉄道の存続・再生を求める道民署名」を始めることにしました。早速、署名用紙をアップロードしますので、ダウンロードの上ご活用ください。もちろん、道外の方でも署名いただいてかまいません。なお、署名用紙は道知事宛てです。
「あの道路(空港)は赤字だから廃止してしまえ」なんて言う人は誰もいないのに、どうして鉄道だけ「赤字なのに残せと求めるのは地域エゴ」なんて言われるの? 同じ公共交通機関なのにおかしくない? と思っている皆さま、お待たせしました。安全問題研究会がこのたび作成したのは、そんな皆さんのためのリーフレットです。鉄道を残さなければ地元がもっと大変なことになってしまう、でも周りの人にそのことを話しても「仕方ないよ」と言われ、わかってもらえない――そんな悩みを抱えている方は、ぜひこのリーフレットをお使いください。きっと「言われてみると、おかしい気がするよね」と仲間を増やせると思います。
●こうしたら日高門別まで運行再開できる(スライド版 配付資料版)
2015年1月の高波災害で、日高本線(鵡川~様似)が不通になってから間もなく3年。鵡川~日高門別間はまったく被災していないにもかかわらず、JR北海道は資金難を理由にこの区間の運行を止めたまま再開しようとしません。地元では、日高門別までは復旧させようと署名運動も続いていますが、この区間は追加費用を一切かけることなく、今すぐにでも運行再開できます。2017年11月24日、日高門別駅の地元日高町で行われた講演では、安全問題研究会がこの点を指摘。併せて、貨物輸送による鉄道復権の可能性にも触れています。
●解散総選挙に当たり、「JR日高線を守る会」が地元選挙区への立候補予定者に聞き取り調査を実施しました
2017年10月22日投開票予定の第48回衆院総選挙に当たり、日高本線の地元で復旧を求めて活動している「JR日高線を守る会」が、地元・北海道9区で立候補を予定している3名に文書で日高線問題に関する聞き取り調査を行い、全員から回答を得ましたので掲載します。
北海道のローカル線問題について、前原誠司・民進党新代表が8月末、日高本線「以外」の全線維持を目指すべきとの発言を行いました。北海道を拠点に道内の全線維持を目標に活動をしている安全問題研究会としても、今回の発言は理解し難く、断固抗議するとともに撤回を求めます。抗議文を公開します。
●日高本線・鵡川~日高門別間の先行復旧を求める署名
日高本線は、2015年1月の高波災害による不通から2年半経過しましたが、JR北海道は沿線からの復旧の要望にもかかわらず、復旧工事を始めないまま地元自治体に一方的に廃線を通告しました。地元が納得できる復旧費の根拠も示さないなど不誠実な姿勢を続け、沿線自治体との協議は暗礁に乗り上げています。そもそも、鵡川~日高門別間は被災しておらず、今すぐにでも運行再開が可能であり、運行しないのはJRの怠慢であり公共交通事業者としての責任を放棄するものです。
このたび、地元で日高本線の全面復旧を目指す2団体(JR日高線を守る会、JR問題を考える苫小牧の会)が共同で、被災していない鵡川から日高門別までの先行復旧を求める署名運動を始めることにしました。署名は日高管内以外・道外からでもかまいません。ぜひ、みなさまのご協力をお願いします。 ◆署名用紙(PDF) ◆呼びかけビラ(PDF)
●当面のJRグループ組織体制改革私案
深刻な経営危機に陥っているJR北海道の救済を第1の目的としながらも、JRグループによる鉄道事業が今後も持続可能になるような抜本的な改革を目指して、当研究会がまとめた私案である。JRグループ各社が保有している線路及び地上施設を政府が買収し、新たに設立する日本鉄道保有公団(仮称)の所有に移すものである。現在は上下一体で運営されているJRグループの体制を抜本的に改めて上下を分離するとともに、「下」(線路及び地上施設の保有及び維持管理)を国有化する。国鉄再建の議論が本格化する前の1982(昭和57)年、当時の運輸省(現国土交通省)内で策定され、小坂徳三郎運輸相が鈴木善幸首相(いずれも当時)に上申した幻の上下分離案――「国鉄再建方策」をモデルにしている。当時としては先進的で、現在もなお色あせることのない上下分離案を、今度こそ幻から現実にしたい。
日高本線の不通から2年半、JR北海道による「維持困難路線」公表から1年弱の時間が経過する中で、次第に地域主体での解決論が優勢になってきており、識者の意見も地域の主体性を求める声が多い。鉄道路線の維持を含めた公共交通の将来のあり方を、道民みずから知恵を結集させ構想することには多大な苦労を伴うが、こうした経験を積むことは、必ず道民にとって将来の政治的財産になる。道内外からの共感と支援を獲得するためには道民がみずから主体となり、努力する姿を見せることも必要である。この再建案は、JR他社による救済も、国による救済の道も閉ざされた場合に備え、当研究会が示す「中央に頼らない地域主体の再建策」である。
●オープンアクセス制導入の提案
路線維持にまったくやる気を見せず、儲ける気もないJR北海道。ローカル線問題が深刻化して以降、北海道ではコスト削減と「下」をどうするかの議論ばかり続き、増収策と「上」をどうするかの議論は皆無に等しかった。しかし、こんな疑問を感じないだろうか。「JR他社も私鉄も、それどころか国鉄が見捨てた路線を引き継いだ転換三セクでさえ、大部分が上下一体のまま経営できているのに、なぜJR北海道にだけそれができないのだろうか」と。この提案は、JR北海道が適正な利益を確保することを通じて鉄路維持につなげるための増収策について、真剣に考えたものである。なお、以下の資料2では、旧国鉄の経営破たんの原因についても分析している。
◆資料1:北海道の鉄道の「未来」に向けて~上下分離+オープンアクセス方式の提案~
◆資料2:国鉄破たんの原因とJR北海道の現状分析~オープンアクセス制の提起に当たって~
●第三セクター鉄道の現状をどう見るか
国鉄分割民営化からまもなく30年。「地域で作るマイレール」を旗印に、旧国鉄の特定地方交通線(廃止対象路線)を引き継いだ全国の第三セクター鉄道はどうなっているのか。現状をまとめるとともに、そこから見えてきたローカル線存続の方策を探る。
◆資料1:第三セクター鉄道の現状をどう見るか ◆資料2:第三セクター鉄道の転換当時の状況と現状一覧表
●北海道庁「鉄道ネットワークワーキンググループ」報告書とその評価について
JR北海道の経営危機に関し、北海道が道庁内に設けた鉄道ネットワークワーキンググループが3回にわたる審議の末、1月30日に最終報告書を提出した。この報告書に対する当研究会の評価をまとめた。
●日高本線の現状~もし、鉄路がなくなったら~(パワーポイントスライド版または配付資料版)
JR北海道はいよいよ厳しい状態に追い込まれた。もし、日高本線沿線が鉄道を失ったら、そして、JR北海道の提案通りに不採算路線が廃止されたら、北海道にどのような事態が起きるのか? 「その先」について考えることを目的に、当研究会が浦河町内で行った講演(2016年10月22日)の資料です。JC(浦河青年会議所)の勉強会の一環として行った講演のため、地域経済への影響など、保守層にも訴求できる内容にしました。
●安全問題研究会のJR北海道「組織改革」私案
当研究会ははっきり言おう。もうJR北海道はダメだと思う。社員の給与さえ遅配しかねず、国からの財政支援でやっと回避する状態のJR北海道は、民間企業なら社長が夜逃げするレベルの倒産会社。こんな会社を作った国の責任で抜本的に組織を変えなければ、北海道の鉄路はすべて消えかねない。そういうわけで、当研究会が考えた、「JR北海道の組織はこうすべき」という改革「私案」。当研究会は本気であり、今後、この私案を持って国にJR北海道の組織再編や、その根拠になっているJR会社法改正などを訴えるつもりである(以下の資料1が当研究会の私案。資料2は、旧国鉄の組織がどのように変わってきたかの変遷を表したもの。両資料とも割と真面目に作っている)。
◆資料1:JR北海道の組織体制改革案 ◆資料2:<参考資料>国有鉄道及びこれを継承した組織の変遷(日本)
●本州と異なる北海道特有の鉄道事情及びこれに即した道内鉄道政策の積極的展開について
JR北海道の経営はすでに破綻状態であり、単に廃止反対を訴えるだけではもはやいかなる説得力も持ち得ない。鉄道がなくなった場合に北海道で起きうる事態、また道内において鉄道が持つべき地位について、沿線地域が具体的かつ積極的なイメージを描けるようにすることを目的にした論考。(2016.9.16)PDF版はこちら
●「赤字だから廃止」は仕方ないのか?~「赤字だから」を超え、鉄道存続の道を探る
当研究会が2016年2月20日、日高町で行った講演レジュメです。新ひだか町、浦河町での講演で、「赤字だから廃止でも仕方ない」との感想が多かったため、採算性を超えた鉄道の価値を提起することに重点を置いています。
●長期不通の日高線、これでいいのか?~国鉄「分割」が生んだ地方切り捨て
当研究会が2015年6月27日、新ひだか町内で行った講演のレジュメです。国鉄分割民営化が地方切り捨てにつながった歴史的経過を振り返るとともに、鉄道存続の方法を模索しました。
なお、当研究会は、2015年10月31日、浦河町でもほぼ同内容の講演を行っています。浦河講演のレジュメはこちらです。