<安全問題研究会声明>
国鉄労働者「屈辱の2.16不採用通知」から30年
破たんする民営JR7社体制打倒の闘いに立ち上がろう
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国鉄「改革」の名の下に、分割民営化されたJRの安全問題、そして「改革」に反対した労働者の不採用問題に関わってきた当研究会は、2月16日を特別な意味を持つ日として今なお忘れることがない。分割民営化を直前に控えた1987年2月16日――「改革」に反対する国鉄労働者に対し、当局からいっせいに新会社「不採用」が通知された屈辱の日から、今日で30年を迎えた。
「なぜ不採用なのか」と迫る国労組合員ら多くの労働者に詰め寄られた管理職が、まともに答えることさえできず立ち尽くす姿は、「ブラック企業」が我が物顔でのさばる一方、若き女性労働者が過労自殺に追い込まれる日本社会の「未来」を予言するものであった。闘う労働組合が解体された結果、大会会場に公然と日の丸を掲げ、原発廃止に抵抗する堕落・腐敗した御用組合が主流となった。労働者たちは、政府・自民党と経済界が周到に準備した道――「2.16」によって掃き清められた、1億総奴隷労働化社会につながる長く暗い下り坂を、ゆっくりと、しかし着実に歩んでいくよう強いられた。
だが、30年の時を経て、少しずつ潮目は変わりつつある。日本の労働者を奴隷化の底に突き落とした国鉄「改革」と、それによって産み落とされた民営JR7社体制が、今その発足以来最大の危機に直面しているからである。その危機は、一昨年から表面化したJR北海道の経営・ローカル線廃止問題として一気に噴出した。全路線キロの半分を「単独では維持困難」としたJR北海道の発表内容も、当研究会にとって驚くには当たらない。それは、分割民営化によって発足したJR北海道が、東京駅未満の収入しか上げられなかった初年度決算の時点からすでに明らかであり、いずれ迎えるべき運命であった。
東中野駅事故、信楽高原鉄道事故、そして最大の悲劇となった尼崎脱線事故に加え、羽越線でも事故が起き、150人を超える人々の命が奪われた。社長自身が「採算に合わない」と明言したリニア事業に9兆円もの工費をつぎ込み、JR東海は制御不能の暴走状態に陥っている。国会では麻生副総理兼財務相までが分割民営化の誤りを認めた。多くの国鉄労働者を解雇・自殺に追い込み、利用者にはサービス低下を、地方には一方的な路線廃止と衰退を強いてきた民営JR7社体制。戦後最悪の強権体制である安倍政権をもってしても抑え込むことができないほどの巨大な矛盾と亀裂を日々、生み出し続ける民営JR7社体制に、ついに別れを告げるときが来たのだ。
当研究会は、今こそ2.16への怒りを胸に、民営JR7社体制を打倒する闘いに立ち上がるよう全国の労働者・市民に呼びかける。さしあたっての最重要課題は、民営JR7社体制のあらゆる矛盾が集中するとともに、その最大のアキレス腱であるJR北海道に労働者・市民の総力をぶつけ、打倒することである。地方を見殺しにするJR北海道の打倒に成功すれば、歴代自民党政権が覆い隠してきたJR7社の諸問題に連鎖的に波及する。それは、破たんしたJR体制全体の最終的な打倒につながる。路線廃止を突きつけられながらも、地域の足の維持を求めて闘う北海道の沿線自治体・住民の支援に立ち上がろう。
当研究会は、鉄道を中心とした公共交通とその安全を守り、地方の衰退を食い止める決意に満ちている。国鉄「改革」の責任を問い、民営JR7社体制から、鉄道路線が持続可能な事業形態への転換を実現するため、引き続きあらゆる努力を尽くしていく。
2017年2月16日
安全問題研究会
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