<ニュース>安全問題研究会の要請が実現しました!

 2023年2月24日、安全問題研究会は、国土交通省に対して2通の請願書を提出しました。

1.JRローカル線問題に関する請願書(PDF版)
2.船舶の安全問題に関する請願書(PDF版)


 このうち、2の船舶の安全問題に関する請願については、違法運航を行った船舶事業者への罰則(罰金)が従来、最高100万円だったのを、1億円に引き上げ、同時に1年以下の懲役刑を併科できることを内容とする海上運送法改正法案が、2023年4月28日、参院本会議で可決・成立しました。当研究会の請願通りの内容です。

 以下、改正法案成立を伝えるNHKニュースです。

 知床半島沖で起きた観光船の沈没事故を受けて、運航管理者の試験制度の創設や罰則の強化を盛り込んだ海上運送法などの改正法が参議院本会議で可決・成立しました。

 去年4月に知床半島沖で起きた観光船の沈没事故を受けて、国土交通省は7つの分野の66項目にのぼる安全対策をとりまとめました。

 これらの中には法改正が必要なものも含まれるとして国会に提出された、海上運送法などの改正法が28日の参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。

 改正法では、▼不適格な事業者を排除して安全管理体制を強化するため、運航管理者の試験制度を創設するほか、▼罰則を強化することが盛り込まれ、行政処分として出される輸送の安全確保命令に違反した場合、▽事業者への罰金を最高で1億円に引き上げるとともに、▽個人への罰金を150万円と重くし、1年以下の懲役刑も設けます。

 また、沈没事故では、船長の出航判断についても課題が指摘されたことから、船長の資質の向上を図るため免許を取得する際の講習の内容を拡充し、修了試験を新たに創設することになりました。

 斉藤国土交通大臣は「痛ましい事故が二度と起きることがないよう、国土交通大臣として責任を持って、旅客船の安全安心対策に全力を挙げていきたい」と述べました。

 当研究会では、請願が早期に実現した要因を、以下のように分析しています。

 ・今回の事故が、単独の船舶の事故としては、少なくとも平成以降では最悪であること
 ・安全向上については国民の間でほとんど意見の相違がない(=反対されるような案件ではない)こと
 ・同じ国交省内に、高速バスの罰則引き上げの前例があること
 ・国交省として、新たな財政支出を伴わないため他省庁との協議も最小限で済むこと

 知床遊覧船・桂田精一社長に対しては、一部で「立件間近」とする報道も出ていますが、北海道警による捜査が現在も続いています。刑事事件としてまだ立件もされていない段階で、早期に海上運送法改正案が成立し、当研究会の請願書2の内容が全面的に盛り込まれたことは大きな成果です。請願提出にご協力いただいた皆様に対し、この場をお借りしてお礼を申し上げます。

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