長良川鉄道 乗車レポート



2004年7月11日、岐阜県の第三セクター・長良川鉄道に乗車してきました。
長良川鉄道は、旧国鉄越美南線として開業し、現在、JR線として営業している越美北線(福井県)とは兄弟にあたる路線です。旧国鉄では、新規 に鉄道を建設する場合、両端の区間から工事を始め真ん中の部分でつなげるというやり方がよく採られていました。そして、ある程度まとまった区 間の工事が完成すると「○○北線」「○○南線」として暫定的に開業させ、真ん中で全区間がつながったときに「○○線」として全面開業するとい うやり方をしていたわけです。その中には、島根県の三江線(三江北線・三江南線として工事が始められた)の ように幸運にも全線がつながった路線もありますが、北海道の興浜北線・興浜南線のように、レールがつながることのないまま工事が中止され、そ のまま廃止になってしまった悲劇の路線もあります。
越美南線も、越美北線とやがてつながり、越美線として福井と美濃太田を結ぶ計画でした。しかし、国鉄改革のため工事は凍結、特定地方交通線と なった南線が長良川鉄道に衣替えしたのです。しかし、一方の路線が第三セクター化されたとはいえ、北線と南線が両方とも残ることができたとい う意味では、興浜北線・南線と比べてずっと幸運だったといえるでしょう(第三セクター化から15年近く経っ ていると思いますが、無人駅に掲出された路線図や駅前の観光案内には、いまだに「越美南線」になっているところがあり、路線名としてはい まだに越美南線を名乗っているようです)。以下、写真付きでレポートします。

<写真1>長良川鉄道ナガラ300形。長良川鉄道だからナガラ300。なんて解りやすいんでしょう(笑)(撮影 地:岐阜県・長良川鉄道越美南線 北濃)
 


<写真2>美濃白鳥から終点・北濃までの区間はスタフ閉塞式が用いられている。この1つのスタフを手に、1本の 列車だけが同区間を行き来する。(撮影地:美濃白鳥)
 
 

<写真3>終点・北濃駅の構内に掲げられていた駅名板。長良川鉄道として、今後の路線の延長はないという宣言で もある。奥にちらりと見えるレールバスは留置されているもので、本来なら福井へつながる「本線」となるはずだったレールは留置線代わりになっ ている。歴史に“IF"は禁物だが、もし越美北線と南線がつながっていたならば、この看板はなく、代わりに福井行きの気動車が走る姿が見られ たに違いない。(撮影地:北濃)
 
 

<写真4>北濃駅には、こんなものもあった。蒸気機関車時代に使われたとみられる転車台である。越美線の歴史は 結構古い。(撮影地:北濃)

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